|
第4話/氷の種
子供のくせに、なぜかフミはケーキだのおまんじゅうだの、作られた甘さが大キライ。
甘いモノで口にするのはフルーツとか自然の甘さのモノだけ。そんな時期がありました。
おじいちゃん、おばあちゃんのところに遊びに行ったときのことです。
出されたケーキをうれしそうに食べるマユ姉ちゃん。チャレンジ精神だけはあるので とりあえは口に運んだフミでしたが、しかめっ面で
「あまぁ〜い・・・」と言ってやめてしまいました。
そんなフミの分も食られて、幸せいっぱいのマユねえちゃん。
だからといってフミが損をするわけではありません。
フミにはしっかりとフルーツがたっぷり用意されています。
何種類かのフルーツが大きなお皿にのっていて、フルーツの下には氷がしいてあり、
フルーツはよく冷えています。
オレンジやぶどうを片っ端から食べるフミ。ぶどうも上手に種を取って食べるフミ。
フルーツや野菜が好きなフミは、みずみずしいモノは何でも口に入れます。
フルーツを、ほぼ一人で食べ尽くすと、皿に乗っている氷を口に入れだしました。
そこでオレはフミに言ってやった。
オレ 「フミ! その氷、種があるから気をつけてね」
フミ 「え?」
そう言って、手に持った氷の中をジ〜ッと見つめるフミでした。
|