第9話/時空を越えて


これはリクが生まれてからのお話。
マユねえちゃんも2年生。さすがにお姉ちゃんです。リクをあやすのもとっても上手。
ある日、マユがオレの横で、リクにお話を始めました。気になったのでオレも耳を傾けます。


「リク〜! マユねえちゃんがお話ししてあげるね」
「むかぁ〜しむかし、2001年6月にリクがいました」


「おいおい、昔々で始まっておいて2001年って今じゃん!!」とつっこもうと思う間もなく

「おしまいっ」

って終わりなの???? いいのそれ???? お話なのそれ????

昔々なのに2001年。そういえば自分たちが子供の頃も似たようなことを言いました。
「昨日生まれた婆さんが、99の孫連れて、黒い白馬にまたがって、前へ前へとバックする」
そんなようなもんなのかな?

しかし、マユのこのお話の出所に非常に近いものを、数日前にヨメが耳にしていました。
それは、ご近所でマユと仲良し同級生のタケシ君です。
ヒーローごっこでもしていたのか、うちの前の道を駆け下りながら


「過去と未来からやってきたっ!!!」

と叫び走り回っていました。ヨメは「おまえらいったいどこから来たんだよっ!!」と
突っ込みたかったようですが、いったいどこから現れたヒーローだったんでしょうね?