第91話/はぐれiMac改造派
〜年忘れ2時間スペシャル←こんなタイトルでいいの?の巻〜


我が家にあるMacは初代iMac(ボンダイブルーのRevision.B)と
PowerMac G4 466です。Mac OSはいままでのOS9までのシステムとは
大きく変わったOS Xへと移行しつつあります。
ネットワーク系や安定性から見れば非常に優秀なOSなんですが
グラフィック・デザイナーが仕事として使って行くには
まだまだOS9までの旧システムに依存する部分も大きく、
すぐにOS Xへシステムを切り替えるわけには行かない状況でした。
そんな中でAppleは「旧OS(OS9)で起動できるマシンは現行マシンまで!」と
正式に発表したのです。。。
いまメインで使っているG4 466も、買った1ヶ月後に新製品が出ていて
すでに3世代前の機種。十分かと思っていたスペックも
アプリケーションがバージョンアップするほどに負担は大きく
ストレスを感じることも多くなっていました。そんなときにこのAppleの発表。
悩んだ末に“OS9でブートする最後のマシン”を購入することにしました。

いままでG4 466をオレが使い、iMacをヨメが動かしていたので
新しいマシンをオレが使い、今までオレが使っていたマシンをヨメが使うことにします。
さて、あまったiMac君。。。
初代のデザインは巷を“総スケルトン化”させた名機です。

「俺も透けるぜぇ〜〜!!」
「なにをぉ〜〜俺だって透けるさぁ〜〜!!!」
「えぇぇ〜〜いっ、透けてる必要のない俺だってどうぢゃぁ〜〜〜!!!」

と、世の中のありとあらゆるものが透け透けになったあの時代の
スケルトン・ブームの火付け役となった名機です。

「俺は透けないっ!!」と言うことが超硬派だったあの時代・・・ホントか?

このiMac専用のスタンドも購入していて愛着もあります。
とはいえ、ただのオブジェにしては邪魔だし、活用しようにも
G3プロセッサに、メモリは128MB。内蔵HDDは4GB。。。
当時としてはそれなりのスペックも、今となっては。。。


これが我が家のiMac。iMacの上にもiMac。これは時計です。


さて、どう活用しよう?
ファイルサーバーにして、我が社の仕事のデータをどのマシンからも共有できれば
仕事の効率的にもいいなぁ〜。。。
しかし、印刷入稿データなんかは、仕事がたまればすぐに4GBなんて容量が
足りなくなって来ちゃう。どうするかなぁ〜。
サーバーならOS Xで安定した環境を作ってやろう!それにはメモリが足りないなぁ〜。
今のままじゃOS Xが起動しないぞ。。。

ここから改造計画がスタートするのです。
iMacが液晶モニターを搭載した新製品が出て、またiMacが人気となっています。
それにあわせるように、本屋などに旧iMacを改造して現役マシンとして使う!と言うような
本も出ています。ネットでも調べました。

そして改造するのは以下の部分!!
●内蔵HDDを大容量に交換
●メモリの増設
●データバックアップ用にCD-RWを搭載

しばらく旧iMac関連の製品は少なくなっていましたが、
最近、改造派が増えてきたのか、内蔵CD-Rと交換できるCD-RWが新製品として出ていました。
ファイルサーバーとなるわけですから、たまにはデータのバックアップが必要。
仕事単位・クライアント単位でCDにデータを焼けばいいので、CD-RWに交換します。
HDDはiMac改造派が集まるサイトで調べたところ、ほとんどの人が40GB程度までの
容量のものに付け替えていました。そりゃ120GBも積もうなんて普通考えないよなぁ〜。
iMacのバージョンと、HDDのメーカー、型番まで出ていて、その後どうかというレポート付き。
非常に参考にはなりますが、オレと同じケースは見あたらず・・・
でも購入検討しているHDDと同じ商品の、容量の少ないもので成功例があったので
HDDのメーカーのサイトに行き、消費電力などを調べましたが、全て一緒。
「いけるんじゃないの?」と思ったところで購入するHDDも決定しました。

ネットで検索して少しでも安いところ。。。と物色しましたが
あんまりいくつものショップで分けて買っても、手間やら送料やら代引き手数料やら・・・
結局どこかでまとめて買ってもかわらない!!という結論になり
秋葉のMac系ショップで一括購入にしました。
年末で仕事も忙しいので、当初は「ショップに預けて工賃払ってやってもらおう」と思っていたんです。
しかし改造内容を告げると「このHDDは無理ですよ!うちではやりません」と言われてしまいました。
昔は無茶を承知で改造してくれたのになぁ〜〜〜時代は変わったもんだ(笑)
仕方がないので自分で改造します。メモリやHDDの増設くらいは経験ありますが
iMacの場合は開けるのがかなりやっかい。。。
自分で開けてボディーを割ったりして壊さないかが不安ですが、とりあえず必要パーツは買いました。

●TAXANの旧iMac用CD-RW/39,800円
●旧iMac用メモリ256MB×2/17,960円
●内蔵用120GBハードディスク/17,980円

しめて75,740円(税別)。。。こんな大がかりな改造費になるとは知らなかったヨメはビックリ。
オレは生まれ変わるiMacを想像してウットリ。。。

家に帰ると家族が寝静まってから改造手術開始です。
改造手術中に子供達が来て、細かいパーツを無くされたらたまりません。
よってみんなが寝静まってからです。
改造の下準備としてiMacに積む120GBのHDDを、G4に接続してフォーマット化し
パーテーションを切ってあげる必要があります。
この時代のMacのマシン(青・白のポリタンクのようなマシン)とiMacは
HDDの最初の8GBまでの領域にOSがインストールされていないと
OSを認識せずに起動しません。
よって120GBのHDDの先頭に、8GBの領域を作ります。
そこにOSをインストールしさえすれば、あとはどんな風にパーテーション切っても自由です。
こんな作業があるために、まずは別のマシンでHDDの用意をしないといけないんです。


フォーマット&パーテーション作業&OSインストール


下準備ができました。それではiMac改造の正しい姿勢をごらんください。
座布団などの上に正しく座らせて(立たせて?)あげるのがいいのです。
モニター面の傷防止ですね。


鎮座して改造手術を待つiMac

※このような改造の際には自分の体に帯電した静電気を放電しておく必要があります。
マザーボード触っている最中に「バチッ!」なんてやった日にはマシンは帰らぬ人となる可能性も。
改造手術中にむやみに歩き回るのも慎みましょう!
冬場の乾燥している時期は特に注意です。


そして取っ手付近にあるネジを1本外し、取っ手を持って思い切って引っ張り開けます。
ハッキリ言ってこの作業が初期iMac改造で一番の難関。
オレ自身も開けるのは初めて。力加減もわからないので最初はそっと。。。
しかしびくともしません。ネットや本で仕入れた情報でも、そうとう力を入れるらしい。
思い切ってやるしかないな。。。えいっ!!
そんなに強引に大丈夫なのか?と不安になるほどの力でやっと外れました。
バキッと言う音と共に・・・
その音に一瞬焦りましたが、そんなもんらしいです。普通に外れてます。


これがカバーをはずして内部が見えたところ


そして見えているポート部分からケーブル類を全部抜きます。
ネジを外せばロジックボード・光学式ドライブ・ハードディスクが一体となった
メインユニットが引き出せるようになります。


引き出したメインユニットです


ユニットを引きだし、まずはメモリを交換。
iMacのG3プロセッサはここに入っています。プロセッサが付けられたボードを外し
表面と裏面にわかれて2枚のメモリが装着できます。
しかし、本来Appleが動作保証しているのは128MBまで。
ネットで調べると516MBまでの動作がショップやユーザーの間で確認されているので
OS Xで動かすためにもメモリは最大の512MBにします。
ちなみにOS Xは最低でも256MBくらいは積んでいないとダメなようです。


引純正のCD-ROMをはずしたところ。はずすとその下にはHDDがあります。手前はメモリ。


左の物がCD-RWです。


手前が新しい120GBのHDD


次にCD-RをCD-RWにします。CD-Rを外すと、その下にHDDが入っています。
CD-RWについてきた説明書を見ながら交換。HDDも交換完了。
あとは分解した逆の手順で組み立てるだけです。
とにかくボディーを外す作業が一番やっかいでしたが、無事終了!!
途中、中のネジを付け忘れたりすると、組み直してからまた分解等という羽目になるので
しっかりパーツを全て付けたかをチェックしながら組み立てないといけません。
あとはボディーを付ければ完了ですが、閉めてから起動しないなどとなっては
また開けるのに苦労するので、動く状態になったところで、一度起動テストします。
ここが緊張の一瞬なわけです。これで立ち上がらないと困ります。
ちゃんと起動して、メモリも512MB認識しています。
HDDも120GB!!!新しいHDDになったら驚くほど静かになりました。
最近の高速回転のものはすごく静かです。静音までできるとは嬉しい誤算。
最後にカバーをつけて改造手術は無事完了〜〜〜!!!!

そしてiMacを専用スタンドに戻すために
鎮座していた座布団から持ち上げたときに、なにやらポロッと落ちてくるものが、、、

あぁぁぁぁ〜〜〜〜〜っっ!!!
iMacはフリーズしたときのリスタートボタンがボディーサイドの
ポート類と同じ場所にあり、細い棒でチクっとやらないと再起動かけられないんです。
これが不便で、当時は再起動用のアダプターがいろんなメーカーから出ていました。
こいつの存在を忘れていて、付けたままボディーを外したので
リスタートスイッチ部分に差し込まれていたそのパーツが折れて落ちてきたのでした。


壊してしまったリスタート用のアダプター・パーツ


がっくし、、、もうこんなパーツ需要もないから売ってないだろうなぁ〜〜、、、
OS Xになれば安定してフリーズもしなくなるからいいか、、、
と思うことで納得することにしました。
最後の最後にミスが発覚。やっぱり何か一つくらいは事件簿ネタを作らないとね。。。
年末の夜に、HDDの準備で1時間。iMac本体に2時間かかった改造手術でした。