ハリウッドの毒牙が妖しく光を放つ。LAメタルの中心的悪魔集団
■No.03/モトリー・クルー(アメリカ)

80年代のLAを代表する悪魔集団。美と退廃をファッションとサウンドで体現し、世界制服を目論んだ。ドラムセットが360度回転したりするなど変態派手派手目立ちたがり趣味でローIQ・ハイエナジーなドラマー、トミー・リーは、革のビキニパンツ一丁でステージに上がり、夜な夜な民衆の前で尻をさらけ出しては“Shout At The Devil”していた。彼らの周囲ではトラブルがつきることなく噴出し、ベーシストのニッキー・シックス死亡・替え玉説など様々な話題を振りまいて人々を混乱させた。特に初期のライブには、彼らに傾倒するSMファッションの女王様が会場周辺に溢れ異様な光景を見せていた。“Knock 'Em Dead Kid”そのままに喧嘩もしまくり、命を救ってくれたGuns n' Rosesのメンバーとも後に殴り合いをする。ロック史に残るモスクワでの祭典でも、出演順を巡りBON JOVIと喧嘩した。そしてマネージメントとも喧嘩した。全米を制圧したあとしばらくして、フロントマンのヴィンス・ニールを解雇したり、呼び戻したり、トミーが離婚したり、再婚したり、トミーが脱退したり、訴えられたり、訴えたり、また訴えられたり、元妻と復縁したり、とにかく忙しい悪魔集団だ。モトリー・クルーに限らないが、メタルに命を捧げる悪魔達は、ワイフのリサイクルが得意らしく、トミー・リーもボン・ジョヴィのリッチー・サンボラに嫁さんを奪われている。フロントマン・ヴィンスは、近年「お前誰?」と言うほどポッチャリしている。ギタリスト、ミック・マーズは悪魔そのものだ。夢に出てきそう。