古代ギリシャ神話を伝える、薔薇と仮面の奇人変人
■No.07/クリムゾン・グローリー(アメリカ)

80年代後期に登場した仮面怪人。深紅の薔薇に忠誠を誓った十字軍の戦士を装ったが、ギリシャ神話を題材とした歌詞で人々を惹きつけては若者を洗脳した悪魔怪人達だ。時代が彼らに対して逆風だったため、世界に大きな被害が出なかったのは幸いだが、民衆を洗脳する魔力に関して言えば、そうとうな潜在能力を持っていた不運な仮面怪人と言える。その不運さは来日した際のラジオ番組Rock Today出演時にもあらわれる。仮面怪人の一人が“Son Of A Bitch”と言ったのを、日本の通訳が「ビッチさんの息子」と訳してしまい、結局その収録がボツになってしまったという笑うに笑えないエピソードがある。ある意味、その通訳が日本を救ったと言っても過言ではない・・・雑誌のインタビュー撮影前に、怪人達自らハサミで仮面をチョキチョキと思い思いの形に切って着用していたらしい。ジャケットや宣伝写真ではフルフェイスだった仮面も「歌いにくいから」「息苦しいから」という理由で、ステージ上では口・鼻の部分が大きく開いていた。すごく納得のいく理由だが、怪人って言うかただの普通の人ぢゃん・・・ヴォーカルのステージ・ネームがMIDNIGHTってのも恥ずかしい事実だ。しかも自分のことを「コミュニケーション・コマンダー」と呼んでいた。リードギタリストは「リード・コマンダー」。リズムギタリストは「ギター・ウォーフェア」。ベーシストは「ベース・コマンダー」。ドラマーは「ファイア・コマンダー」って言うんだと。最近、再結成したがMIDNIGHTは参加していない。